食材を活かしたあくなき味の追求、スピーディな手際の良さが光る
創作料理・入江シェフのお店。



 この北九州に本物の職人、料理の職人と言える人が今、果たしてどの位いるのだろうか?
 最近、街中に飲食店だけが増え続けている様を見て、考えさせられる。資格と猫も杓子も言うけれど、調理学校ごときに行って一人前の職人に成れる訳がない。調理師、栄養士、…そんなものは本を読んで勉強すれば誰でも知識は得られる。で、電子レンジで温める?だと。アナログ、料理はアナログでなければ一人前にはなれないし、仕事は先輩から盗むもの。アナログを笑う人は、アナログで最後は苦しむ。飲食店のカラクリやら、ごまかしは星の数ほど、残念ながら知っているし、耳にも入ってくる。
 気持ちを入れ替えて、本物の職人の一人を紹介する。小倉北区大手町3-1になる「ブラッスリー・リップ(LIPP)」。 オープンして30年が経つ。”ブラッスリー”とは、フランス語で飲食店を表す。“LIPP”は口唇。
 今から25年、30年前に、フレンチからイタリアンに料理が大きく変わった。バブルが弾けたことから、一流ホテルのレストランが価格を安くし、原価も安くする為に、イタリアンをブームとして仕掛けた。原価率はパスタをメインに出すと利益が上がる。フレンチだと価格の4割以上でないと良品ではない。イタリアンは3割で収まる。街中やホテルのレストランはイタリアン・カラーの食で一応賑わいを見せる。この時代のOLさん達は昼休みが1時間以上あることも多く、ランチ、ランチと飲食店に詰めかけた。 “パスタ・ランチ”。 “パスタ・ランチ”。
 この時代、「LIPP」もイタリアンをやらざるを得なかった。が、パスタの味は、一流であった。スピードを要するランチ・タイムのパスタは、こだわりのある職人は「オーダーが入ってからゆでる」。「LIPP」のオーナー・シェフは入江さん。食材にもの凄くこだわりを昔から持っていたし、何もかも一人でこなすスピードと頭の回転の良さで、仕込みから味つけ、盛りつけとこなす、凄い人だった。フリーペーパーには一度たりとも名を出したことがない。他の店と一緒にして欲しくない。味やマナーを知らない人には、料理を食べて欲しくない。頑固さが”ジジい”の頑固ではなく、負けてたまるか‼の信念だったから、この人には、頭が下がる思いをしていた。
 8年前に店に行った時、街中の飲食店はレトロがあふれてる。〇〇の店もレトルトを使い始めたし、「うそーっ‼高野さん、僕は頑張るけね‼」と言った言葉が忘れられなかった。1年前の夜に行った時は、「夜は予約以外していないんよ。まあ、任せてくれるなら出すよ」と言われ、「お願いします」と言って出されたチキンのグリル。「これは塩と砂糖だけで味つけした」と。皮が香ばしく、チキンの焼き方と心地良い味に、さすが‼と感心と安心とをいただいた。で、「LIPP」をどうしても取材したい気持ちは伝わった。快く「はい‼」と返事が返ってきた。
 今回は「LIPP」が、さらにグレード・アップしていた。ランチ・タイムの様子を見ていると、入江シェフのスピードは健在。10本の指と10本の足の指を使っているような速さと効率、手際の良さで、ランチの数、品数をこなしている。ホールでサービスをする2人の女性も動きが同調している。こんな店は北九州どころか九州にもそうない。
 小倉市民会館がなくなって景観がさらによくなっていた。帰り際に広い間口の入口に、フランスのマルシェのように洋菓子に手造りパン、手造りの菓子を並べて販売している。これだけ並べられたら、買いたくなる。看板にはフランスの国旗青・白・赤の旗が印刷されていた。今はまさにブラックスリーの「LIPP」だ。また取材出来て幸せだった。






ブラッスリー・LIPP(リップ)
◆ 小倉北区大手町3-1 ◆ TEL.093-581-6503 ◆ ホームページ www.lipp.jp
◆ 営業時間 : ランチ/12:00~14:00 ディナー/18:00~22:00(オーダーストップ21:00) ※月曜定休日
◆ 御予算・内容などはお気軽にお尋ねください。(貸切可能)
● LIPPのランチ(オードブル・サラダ・スープ・パン・魚or肉、デザート、コーヒー) 1500円+外税
● プリフィクスランチ(お好きなメニューをチョイスできる大満足のコース) 2500円+外税
● ハッピー・アワー(14:00~17:00)
● アフタヌーンティ・セット 1800円+外税
● ちょっと遅めの日替わりランチ 1500円+外税
● ディナー/おまかせフルコース 5000円+外税~(オードブル盛り合わせ・プチサラダ・魚・肉・デザート・コーヒー)
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