北九州のパン業界のイニシアチブをとり続けているのは、
パンに哲学と魂と努力、人に優しい素材と価格に魅力があるから。


 世界的にみるとパンの発生の歴史は約6000年前まで逆のぼる。古代エジプトではパンの糖質を利用してビールを造り、ビールの酵母を利用してパンを焼いたと伝えられる。日本での歴史は約400年前。室町後期の1543年にポルトガル船が暴風雨のために種子島に漂着し、この時にライムギ入りの固パンを伝えることになる。その後、日本人はパンに親しむことになったのは1885年(明治18年)に兵食としてパンを取り入れ、1887年に ”あんパン” の誕生により、日本人が制作したパンの第1号が生まれる。イギリス・パンが第2次大戦まで続き、戦後はアメリカのパンが主役となる。最近は、手作りタイプでのヨーロッパ的なパンが好まれている。日本人のモノ造りの上手さが功を成し、世界に通用する日本のパンが誕生したことになる。
 パンの食卓「一の粉」の現オーナーは、2代目。初代の濱さんと永年、連れ添った元・店長の請川(うけがわ)さんが、引き継いでくれた。約16年間みっちりと「一の粉」のパンに込める魂と哲学を先代から伝綬された訳だ。「一の粉」の味は変えたくない。  北九州のパン技術のレベルはとても高いですよ。濱さんと同じように、新商品の開発はこれからもやっていきます。野菜をふんだんに使ったパンももっと作っていきたいです。「一の粉」の伝統に僕のオリジナリティーをどう付加していくか…。とても大変なことですが、パン職人である以上は、日本一のパン屋になりたいですから。
 パン作りは、季節、温度、湿度、素材、発酵による違いで、焼き具合を変えていかないと…パンは生き物ですから。どんな業種にも言えることですが、自分が売りたいパン(=イコール)が売れるとは限らない。
 現在の食文化について消費者の皆様にアドバイスをするなら、素材、原材料にこだわっているか? アレルギーに対してこだわっているか? … これは店側もしっかり標示する必要がありますが。質が良ければ高いパンでも売れるくらいに、消費者の方は、健康面にこだわっていると言えますし。種類の豊富さ、安全度の高いもの。できる限り買いやすい価格で、しかも「オイシい」と感動を与えられるもの。それでいて安定した供給ができなけれはいけない。人間の身体に食は影響を与えるものです。パン屋は皆様の健康を変えるべき役割がある訳です。
 パンの種類は130種類あり、毎日店頭にでているものが100種類はある。前日から仕込み、朝パンを焼く。昔の時代はパン屋の出勤は朝4時が当たり前だったか。「一の粉」では朝4時からは変わっていない。6時30分に店を開け、夜8時に閉店。焼きながら仕込みをしながら、パンの在庫を見ながら…。とても大変だ。怠け者には出来ない仕事。手際の良さ、気配り、全神経をパンに集中させないと、一流のパン屋には決してなれる訳ない。
 北九州でイニシアチブをずっととって来たパン屋「一の粉」。遠方からのお客さんが多くて、わざわざ往復一時間以上かけてやって来る。良質なパンを、美味しいパンを求めてだ。「一の粉のパンには一目おいている」この言葉は市内の一流料理人から良く聞く言葉の一つだ。
 



  「一の粉」 2代目オーナー/請川(うけがわ)さん
  

パンの食卓「一の粉」
北九州市八幡西区光貞台1-1-31
● TEL.093‐693‐5611 ● 営業時間/6:30~20:00
● 定休日/月曜日(正月、盆休みはあり)
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